痛風発作の治療と再発予防
■ この記事のポイント
- 赤く腫れた関節がすべて痛風とは限りません。発熱や急な腫れの広がりがあれば当日中に受診してください
- 尿酸値だけでは診断できず、発作中は尿酸値が低く出ることもあります
- 発作の治療はNSAIDs・コルヒチン・ステロイドから、腎機能や併用薬に合わせて選びます
- 痛みが引いた後も、尿酸値を目標まで下げて維持することが再発予防につながります
- 痛風のある方は、尿酸値とあわせて血圧や腎機能も確認します

足の親指の付け根が、突然赤く腫れて痛む。夜中に痛みで目が覚め、靴を履くのもつらい。そんなときは、痛風発作の可能性があります。まずは痛みの原因を確かめ、炎症を抑える治療を始めましょう。
痛風と診断されたら、痛みが引いた後の治療も大切です。尿酸値を目標まで下げて維持することで、関節にたまった結晶を減らし、発作を繰り返さない状態を目指します。高血圧や腎機能低下がある方は、それらも一緒に管理します。[1,2,3,4,13]
急に赤く腫れた関節は早めに受診を
痛風は足の親指の付け根に起こりやすい病気ですが、足首や膝などにも起こります。ただし、赤く腫れた関節がすべて痛風とは限りません。細菌が関節に入る感染性関節炎など、急いで治療する必要がある病気もあります。
初めての強い関節痛は、早めに医療機関へ。発熱や悪寒を伴う、強いだるさがある、腫れや赤みが急速に広がる場合は、当日中に受診してください。発熱がなくても感染症を否定できません。[3]

図1 いのぱぱのように足首が痛むこともあります。まずは、痛風かどうかを診察で確かめましょう。
尿酸値だけでは診断できません
痛風は、尿酸が結晶になって関節にたまり、炎症を起こす病気です。尿酸値が高いだけで痛風と決まるわけではなく、発作中には尿酸値が一時的に低くなることもあります。症状や経過を確認し、必要に応じて関節液の検査や超音波検査などを行います。発作中の値が高くなくても疑わしい場合は、落ち着いてから再検査します。[3,4]
発作が起きたら炎症を早く抑えます
急性期の治療には、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、コルヒチン、ステロイドなどを使います。どの薬が適するかは、発症からの時間、腎機能、胃腸や心臓の病気、併用薬で変わります。痛む関節は休ませ、保冷剤をタオルで包んで冷やすことも痛みの軽減に役立ちます。[2,3,4]
NSAIDsは短期間で使い方を確認
NSAIDsは、痛みと炎症を抑える薬です。発作の強さ、腎臓や胃腸の状態、飲んでいる薬に合わせて、使う薬と期間を決めます。海外の比較試験では、NSAIDsと低用量コルヒチンの7日間の痛みの改善に有意差はありませんでした。[6]
一定の間隔で短期間服用する処方と、必要時だけの頓用処方では、飲み方が異なります。薬によって、通常の服用、痛風発作のときの服用、頓用で飲み方が分かれます。処方された回数・間隔・日数を守り、なるべく空腹を避けましょう。効きが不十分でも、自分で増量したり、別の市販の痛み止めを重ねたりしないでください。
腎機能低下、脱水、高血圧、心不全、胃・十二指腸潰瘍がある方は、特に注意が必要です。NSAIDsで腎機能や血圧、むくみが悪化することがあり、重い腎機能障害、心不全、重い高血圧などでは使えないNSAIDsがあります。必要に応じて胃を保護する薬を併用しますが、それで腎臓への影響も防げるわけではありません。[3,13]
コルヒチンは早期に処方量を守って
コルヒチンは、尿酸の結晶に反応して起きる炎症を抑える薬です。前兆時の使用に加え、発作が始まった後も早く服用するほど効果的です。大量に飲む方法は重い副作用につながるため、現在は低用量での治療が基本です。[2,5,8]
国内の電子添文(2026年6月改訂)では、成人の発作治療は1回0.5~1.0mgを1日1回または2回、ただし1日の総量は1.5mgを超えないとされています。これは上限まで飲んでよいという意味ではありません。腎・肝機能や併用薬によって減量・回避が必要で、個々の処方指示を優先します。痛みが改善したら、発作治療としての服用は速やかに終了します。[8]
一部の抗菌薬や抗ウイルス薬などとの飲み合わせにも注意が必要です。お薬手帳を提示してください。服用中に下痢、嘔吐、腹痛、筋力低下、尿が少ないなどの症状が出たら、追加で飲まず、速やかに医療機関へ相談・受診しましょう。[8]
NSAIDsやコルヒチンが適さない方には、短期間のステロイドなどを検討します。腎機能が低いからといって、痛みを我慢する必要はありません。[3,13]
痛みが引いた後こそ尿酸の管理を
発作の痛みが治まっても、関節にたまった尿酸の結晶がすぐになくなるわけではありません。尿酸を下げて維持すると結晶は徐々に減っていきますが、時間がかかります。痛くない時期も治療を続けることが、再発予防につながります。[4,11]

図2 尿酸の結晶は、尿酸値を下げて保つことで、時間をかけて少しずつ減っていきます(結晶は拡大して描いた模式図です)。
目標を決めて薬を調整します
痛風の尿酸降下療法では、一般に血清尿酸値6.0mg/dL以下を目標にします。痛風結節があるなど重症の場合は、5.0mg/dL未満を目指すこともあります。薬を少量から始め、採血で尿酸値や安全性を確認しながら調整します。最初に処方された量を飲んでいるだけで、目標に届いているとは限りません。[1,2,3,4]
繰り返す発作、痛風結節、関節の障害がある方では、尿酸を下げる治療が特に重要です。初回の発作でも、慢性腎臓病、尿路結石、非常に高い尿酸値などがあれば、薬を始めるか相談します。[2,3]
患者さんへの説明と、尿酸の目標に合わせた薬の調整を組み合わせたランダム化比較試験では、通常の診療より尿酸の目標達成や発作の改善が得られました。また、2024年のJAMA論文でも、尿酸値が高いほどその後の発作が多い関連が示されています。[9,10]

図3 痛みを抑える薬と、尿酸を下げる薬では役割が違います。ふくぼ先生と治療の目的を確認しましょう。
治療の始めには発作が増えることも
尿酸を下げ始めた時期には、一時的に発作が起こりやすくなることがあります。薬が合わないと自己判断して中断せず、相談してください。必要に応じて少量のコルヒチンなどで発作を予防します。予防投与の期間は効果や副作用を見ながら決め、漫然と続けません。[2,7,8]
すでに尿酸を下げる薬を飲んでいる方は、発作が起きても通常は継続します。新たに始める時期は、発作の状態や治療の必要性に合わせて相談します。痛みがなくなった、尿酸値が一度正常になった、という理由だけで薬をやめないことが大切です。[2,3]
尿酸と一緒に血圧と腎臓も確認します
痛風のある方には、高血圧や慢性腎臓病を伴う方が少なくありません。腎機能が低下すると尿酸を排泄しにくくなり、使える薬や適切な量も変わります。慢性期の受診では、尿酸値に加え、血圧、腎機能を示すeGFR、尿蛋白・尿アルブミンなども確認します。[3,4,13]
血圧は家庭での記録も役立ちます
高血圧は自覚症状がなくても、心臓・脳・腎臓に負担をかけます。尿酸値が下がっていても、血圧が高いままなら別に対策が必要です。家庭血圧を記録し、診察時に見せてください。目標は年齢、立ちくらみの有無、腎機能なども踏まえて確認します。[12,13]
降圧薬の中には尿酸値に影響するものがあります。利尿薬などで尿酸値が上がることがありますが、心不全などで必要な場合もあります。変更できるかは病状全体で判断するため、自己判断で中止しないでください。[2,14]

図4 尿酸値、家庭血圧、腎臓の検査結果を一緒に確認し、無理なく続けられる治療を考えます。
尿酸を下げれば腎臓も必ず良くなるのか
痛風を繰り返さないために尿酸を下げる治療は大切です。一方、「尿酸を下げれば必ず腎機能が改善する」とは言い切れません。痛風の既往がないCKD患者を対象としたCKD-FIX試験と、1型糖尿病の腎障害を対象としたPERL試験では、アロプリノールによる腎機能低下の抑制は示されませんでした。[15,16]
KDIGO 2024も、症状のない高尿酸血症に対し、CKDの進行を遅らせる目的だけで尿酸降下薬を使うことを勧めていません。これは、痛風のある方の再発予防を否定するものではありません。[13]
最新研究を踏まえて全身を管理します
2025年のJAMA Internal Medicine論文では、痛風とCKDのある方で尿酸の目標を達成した群は、重い腎障害への進行リスクが低い関連を認めました。2026年には、痛風患者で尿酸の目標達成と心血管イベントの少ないこととの関連も報告されています。[17,18]
ただし、いずれも診療データを用いた観察研究です。尿酸を下げたこと自体が心臓や腎臓を守ったと確定したわけではありません。痛風治療を続けながら、血圧、糖尿病、脂質、喫煙などの対策も進めることが重要です。[12,13,17,18]
生活の工夫は続けられるところから
痛風は、食べ過ぎや飲み過ぎだけで起きる病気ではありません。体質や腎機能も関わります。生活習慣の改善は大切ですが、それだけで尿酸の目標に届かない方もいます。薬が必要になっても、ご自身を責める必要はありません。[2,3]
- お酒は種類を問わず量を控えます。「ビールを焼酎に変えれば大丈夫」とは限りません。
- 砂糖や果糖を多く含む清涼飲料の飲み過ぎを避け、内臓肉などプリン体の多い食品は量や頻度を見直します。
- 体重が多い方は、急な断食ではなく、食事と運動で少しずつ減量します。
- 脱水を避けます。ただし、心不全や腎臓病で水分制限がある方は、指示された量を守ってください。
- 高血圧がある方は減塩も大切です。発作が落ち着いたら、無理のない運動を再開しましょう。[2,3,4,12,13]
受診時に教えていただきたいこと
「いつから」「どこが」「どのように痛むか」に加え、発熱の有無、これまでの発作、健診の尿酸値や腎機能の結果が分かると役立ちます。お薬手帳、市販薬・サプリメントの情報、家庭血圧の記録もお持ちください。
発作後の診察では、尿酸の目標値、採血の時期、次に発作が起きたときの薬の使い方を確認しましょう。痛みを早く抑えることから、発作を繰り返さないための継続治療まで、福本医院へご相談ください。
※この記事は成人の痛風についての一般的な説明です。薬の種類・量・服用期間は、診察と検査結果に基づいて個別に決めます。
参考文献
本文中の番号に対応しています。ウェブ資料・電子添文の確認日:2026年9月21日。
1. 日本痛風・核酸代謝学会 編.高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版.診断と治療社;2018.および日本痛風・尿酸核酸学会 編.同 第3版 2022年追補版.診断と治療社;2022. 原文・公式資料
2. FitzGerald JD, Dalbeth N, Mikuls T, et al. 2020 American College of Rheumatology Guideline for the Management of Gout. Arthritis Care Res (Hoboken). 2020;72(6):744–760. doi:10.1002/acr.24180. 原文・公式資料
3. National Institute for Health and Care Excellence. Gout: diagnosis and management. NICE guideline NG219. Published June 9, 2022. 原文・公式資料
4. Richette P, Doherty M, Pascual E, et al. 2016 updated EULAR evidence-based recommendations for the management of gout. Ann Rheum Dis. 2017;76(1):29–42. doi:10.1136/annrheumdis-2016-209707. 原文・公式資料
5. Terkeltaub RA, Furst DE, Bennett K, Kook KA, Crockett RS, Davis MW. High versus low dosing of oral colchicine for early acute gout flare: Twenty-four-hour outcome of the first multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group, dose-comparison colchicine study. Arthritis Rheum. 2010;62(4):1060–1068. doi:10.1002/art.27327. 原文・公式資料
6. Roddy E, Clarkson K, Blagojevic-Bucknall M, et al. Open-label randomised pragmatic trial (CONTACT) comparing naproxen and low-dose colchicine for the treatment of gout flares in primary care. Ann Rheum Dis. 2020;79(2):276–284. doi:10.1136/annrheumdis-2019-216154. 原文・公式資料
7. Stamp L, Horne A, Mihov B, et al. Is colchicine prophylaxis required with start-low go-slow allopurinol dose escalation in gout? A non-inferiority randomised double-blind placebo-controlled trial. Ann Rheum Dis. 2023;82(12):1626–1634. doi:10.1136/ard-2023-224731. 原文・公式資料
8. 高田製薬株式会社.コルヒチン錠0.5mg「タカタ」電子添文.2026年6月改訂(第4版). 原文・公式資料
9. Doherty M, Jenkins W, Richardson H, et al. Efficacy and cost-effectiveness of nurse-led care involving education and engagement of patients and a treat-to-target urate-lowering strategy versus usual care for gout: a randomised controlled trial. Lancet. 2018;392(10156):1403–1412. doi:10.1016/S0140-6736(18)32158-5. 原文・公式資料
10. McCormick N, Yokose C, Challener GJ, Joshi AD, Tanikella S, Choi HK. Serum Urate and Recurrent Gout. JAMA. 2024;331(5):417–424. doi:10.1001/jama.2023.26640. 原文・公式資料
11. Pascual E, Sivera F. Time required for disappearance of urate crystals from synovial fluid after successful hypouricaemic treatment relates to the duration of gout. Ann Rheum Dis. 2007;66(8):1056–1058. doi:10.1136/ard.2006.060368. 原文・公式資料
12. 日本高血圧学会高血圧管理・治療ガイドライン委員会 編.高血圧管理・治療ガイドライン2025.日本高血圧学会;2025.制作・販売:ライフサイエンス出版. 原文・公式資料
13. Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) CKD Work Group. KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease. Kidney Int. 2024;105(4S):S117–S314. doi:10.1016/j.kint.2023.10.018. 原文・公式資料
14. Choi HK, Soriano LC, Zhang Y, Rodríguez LAG. Antihypertensive drugs and risk of incident gout among patients with hypertension: population based case-control study. BMJ. 2012;344:d8190. doi:10.1136/bmj.d8190. 原文・公式資料
15. Badve SV, Pascoe EM, Tiku A, et al. Effects of Allopurinol on the Progression of Chronic Kidney Disease. N Engl J Med. 2020;382(26):2504–2513. doi:10.1056/NEJMoa1915833. 原文・公式資料
16. Doria A, Galecki AT, Spino C, et al. Serum Urate Lowering with Allopurinol and Kidney Function in Type 1 Diabetes. N Engl J Med. 2020;382(26):2493–2503. doi:10.1056/NEJMoa1916624. 原文・公式資料
17. Wang Y, Dalbeth N, Terkeltaub R, et al. Target Serum Urate Achievement and Chronic Kidney Disease Progression in Patients With Gout and Kidney Disease. JAMA Intern Med. 2025;185(1):74–82. doi:10.1001/jamainternmed.2024.6212. 原文・公式資料
18. Cipolletta E, Zverkova Sandström T, Rozza D, et al. Treat-to-Target Urate-Lowering Treatment and Cardiovascular Outcomes in Patients With Gout. JAMA Intern Med. 2026;186(3):332–342. doi:10.1001/jamainternmed.2025.7453. 原文・公式資料
福本医院(大阪市中央区・心斎橋)
内科・循環器内科
福本医院は大阪市中央区南船場にある内科・循環器内科です。大阪メトロ御堂筋線・心斎橋駅から徒歩2分、なんば(難波)からは1駅です。長堀橋・本町・四ツ橋からも徒歩圏内で、新町・堀江・立売堀をはじめ大阪市西区からも多くの患者様にご来院いただいております。
この記事の監修
福本医院
院長 福本 淳
内科・循環器内科
平成9年 神戸大学医学部医学科卒
医学博士
循環器専門医(登録番号15490)



























