【尿酸値コントロールのすすめ】痛風の再発予防だけじゃない、血管と腎臓を守るために
「最近、健康診断で尿酸値が高めって言われた…」
「痛風は昔なったけど、今は落ち着いてるから大丈夫でしょ?」
そう思っていませんか?
実は、高尿酸血症は「痛風」だけでなく、「動脈硬化」や「腎臓の病気(慢性腎臓病)」のリスクにも深く関係していることが、近年の科学研究から分かってきました。
🔍 高尿酸血症とは?
尿酸は、体内でプリン体という物質が分解されてできる老廃物です。通常は尿と一緒に排出されますが、量が多すぎたり、腎臓でうまく処理できなかったりすると、血液中に尿酸がたまり「高尿酸血症」となります。
⚡ 高尿酸血症が引き起こす3つの重大リスク
① 痛風(関節の激痛)
突然の激痛と腫れが出る「痛風発作」。これは尿酸が結晶化して関節に炎症を起こすためです。
✅ 再発を防ぐには、尿酸値を6.0mg/dL以下に保つことが大切です。
② 動脈硬化・心血管疾患
有名医学誌NEJMのレビューによると、尿酸は血管の内皮細胞を傷つけ、高血圧や動脈硬化を進行させる原因になることが示されています。これにより、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高まります。
③ 腎機能障害(慢性腎臓病)
尿酸が腎臓に沈着することで、糸球体硬化や尿細管間質の炎症が起き、腎臓の働きが低下する可能性があります。
腎臓は尿酸を排出する臓器でもあるため、悪循環に陥りやすくなります。
🌱 尿酸値を下げる生活習慣
✅ 水分をこまめに摂る(1日1.5~2L)
✅ プリン体の多い食品を控える(内臓肉・ビールなど)
✅ 肥満を避ける(体重を5%減らすだけでも尿酸値改善に効果)
✅ 飲酒は控えめに(特にビール・焼酎に注意)
✅ ストレス・過労を避ける
💊 治療が必要なケースとは?
尿酸値が7.0mg/dL以上で痛風歴がある方、腎機能が低下している方、高血圧・糖尿病・脂質異常症などを合併している方には、内服治療(アロプリノール、フェブキソスタットなど)を検討します。
尿酸値が「高いだけ」でも、放置は禁物です。
🏥 福本医院での取り組み
当院では、尿酸値の定期チェックに加え、血圧・腎機能・コレステロール値などの総合評価を行い、生活習慣の見直しや必要に応じた薬物治療をご提案しています。
痛風発作が出る前、または再発する前に、尿酸値を「コントロールする医療」を始めませんか?
📚 参考文献
1. Feig DI, Kang D-H, Johnson RJ.
Uric Acid and Cardiovascular Risk
New England Journal of Medicine. 2008;359(17):1811–1821.
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概要: 高尿酸血症が心血管疾患(高血圧・動脈硬化・心不全)の独立したリスク因子である可能性を、疫学・動物実験・臨床研究の視点からまとめたレビュー。
2. Jalal DI, Chonchol M.
Uric acid and chronic kidney disease: Which is chasing which?
Nephrology Dialysis Transplantation. 2013;28(9):2221–2228.
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概要: 尿酸は腎機能低下の結果であるだけでなく、CKDの発症・進行因子である可能性を示唆。動物実験と小規模介入研究を踏まえ、さらなるRCTの必要性を指摘。
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🔗 PubMed: 23058478|PDF(Oxford Academic)|DOI: 10.1093/ndt/gft029