ソファに座って談笑する娘と高齢の両親。和やかなリビングで微笑み合う3人。

久しぶりの再会に笑顔がこぼれる──娘が帰省し、両親と一緒にリビングで過ごす穏やかな時間。

 

🏠 帰省は「健康チェック」の絶好の機会

お盆の帰省で久々に会うご両親に、どこか「いつもと違う」と感じたことはありませんか?

離れて暮らしていると、日々の小さな変化には気づきにくいもの。だからこそ、年に数回しか会わないタイミングでの「観察」が、病気の早期発見につながることもあります。

 

👀 見逃さないで!健康変化の5つのチェックポイント

1. 見た目の変化

  • 顔色の変化(青白い・黄色い・赤黒い)

  • 足やまぶたのむくみ(心不全の可能性も)

  • 歩くスピードや休憩の頻度

  • 急な体重増減(月に±2kg以上)

廊下を歩く高齢男性の比較イラスト。左は笑顔で背筋が伸びた様子、右はやや前かがみで疲れた表情の男性。

左は元気に歩く高齢男性、右は疲れた表情でやや前かがみの歩行姿勢。見た目や歩き方の変化は、循環器疾患やフレイルのサインかもしれません。

 

2. 会話や認知の変化

  • 話のテンポや言葉選びの違和感

  • 最近の出来事を忘れている

  • 同じ話を何度も繰り返す

3. 生活環境の乱れ

  • 冷蔵庫に期限切れ食品が多い

  • 掃除が行き届いていない

  • 郵便物が溜まっている

4. 薬の管理状態

  • お薬手帳は最新か?

  • 飲み忘れ・重複服用の有無

  • 健康食品や市販薬の常用

5. 緊急性の高い症状に注意

  • 胸の痛みや圧迫感

  • 安静時の息切れや咳

  • 脈の乱れや片足の腫れ

  • 一時的でも意識を失った

 

🩺 実家でできる簡単チェック方法

  • 血圧測定:朝晩、2回ずつ測り平均を記録

     → 135/85mmHg未満が目安

  • 脈拍確認:60~100回/分、リズムが不規則でないか

  • 6分間歩行テスト:65歳以上なら400m以上を目安に

 

シニア女性が自動血圧計で血圧を測定し、スマートフォンに表示された「132/76」の数値を笑顔で見せているイラスト。

家庭での血圧測定をスマートフォンで記録するシニア女性。表示された数値「132/76」は正常範囲内であり、日々の自己管理の重要性を示しています。

おすすめ血圧計  オムロン上腕式  ELECOM上腕式

 

📱 スマートウォッチや健康アプリも活用を

  • 心拍数の自動記録

  • 心房細動のスクリーニング

  • 転倒検出や睡眠分析

  • 血圧や歩数の共有アプリ

スマートウォッチの画面に心電図波形と血圧「157/87」、脈拍「74」が表示されている。

スマートウォッチが表示するECG(心電図)波形と血圧・脈拍のデータ。健康管理に役立つウェアラブルデバイスの一例。

 

🔄 帰省後のフォローアップも大切です

  • 気づいた変化は地元のかかりつけ医に相談

  • 定期受診や薬の整理をサポート

  • 見守りサービスや安否確認の活用も検討を

 

💡 福本医院からのアドバイス

小さな変化こそが大きなサイン。

お盆の帰省は、ご両親の健康を守る絶好のチャンスです。

心斎橋・福本医院では、短期チェックや精密検査、薬の見直し相談などにも対応しています。

 

✅ お盆帰省チェックリスト(保存版)

□ 顔色、むくみ、歩行の変化

□ 会話の違和感、物忘れ

□ 生活環境の乱れ

□ 薬の飲み忘れ・整理状態

□ 血圧、脈、歩行の測定

どれか一つでも気になれば、お盆明けの受診をおすすめします。

 

🏥 福本医院のご案内

  • 所在地:大阪市中央区南船場3-6-19 心斎橋ワダビル2F

  • 交通アクセス

     - 心斎橋駅 徒歩2分

     - 四ツ橋駅 徒歩6分

     - 本町駅 徒歩7分

  • TEL:06-6125-5652

  • Web予約こちらから

 

✅ 参考文献リスト

1. Fried LP, Tangen CM, Walston J, et al. (2001).

Frailty in older adults: evidence for a phenotype.

Journal of Gerontology: Series A, Biological Sciences and Medical Sciences, 56(3): M146–M156.

DOI: 10.1093/gerona/56.3.M146

📝 解説:

フレイル(虚弱)の診断指標として現在広く使用されている「Fried基準」を初めて提唱した画期的論文。体重減少・疲労・握力低下・歩行速度の低下・活動量の減少の5要素を基に、高齢者の健康リスクを評価する枠組みを確立しました。

 

2. Hoogendijk EO, Afilalo J, Ensrud KE, et al. (2019).

Frailty: implications for clinical practice and public health.

The Lancet, 394(10206): 1365–1375.

DOI: 10.1016/S0140-6736(19)31786-6

📝 解説:

フレイルの臨床的・社会的影響を包括的にまとめたレビュー論文。高齢化社会におけるフレイル対策の必要性を国際的な視点から明確にし、医療者と家族が留意すべき点を論じています。

 

3. Perez MV, Mahaffey KW, Hedlin H, et al. (2019).

Large-Scale Assessment of a Smartwatch to Identify Atrial Fibrillation.

New England Journal of Medicine, 381(20): 1909–1917.

DOI: 10.1056/NEJMoa1901183

📝 解説:

Apple Heart Studyとして知られる本研究は、スマートウォッチによる心房細動(AF)の早期検出能力を42万人以上の被験者で評価。日常生活におけるデジタル健康管理の信頼性を示したエビデンスです。

 

4. Parati G, Stergiou GS, Bilo G, et al. (2021).

Home blood pressure monitoring: methodology, clinical relevance and practical application.

Journal of Hypertension, 39(9): 1742–1767.

DOI: 10.1097/HJH.0000000000002922

📝 解説:

欧州高血圧学会による在宅血圧測定に関する公式声明(ポジションペーパー)。正しい測定法から臨床応用までを詳細に解説しており、家庭血圧の有用性とその活用法を包括的に理解できます。

 

5. Nazarian S, Lam K, Darzi A, Ashrafian H. (2021).

Diagnostic Accuracy of Smartwatches for the Detection of Cardiac Arrhythmia: Systematic Review and Meta-analysis.

Journal of Medical Internet Research, 23(8): e28974.

DOI: 10.2196/28974

📝 解説:

スマートウォッチによる心電図記録と不整脈(心房細動、心室性期外収縮など)の検出精度を、18件の研究・42万人のデータで統合解析。デジタルヘルスの信頼性と精度を科学的に示した注目のメタ分析です。