◆最近増えている「緊張型頭痛」とは?

スマホやパソコンを長時間使っていると、首や肩がガチガチにこってくる…。そんな経験、ありませんか?

その「肩こり」や「首こり」が、実はあなたの頭痛の原因になっているかもしれません。

緊張型頭痛は、現代人に最も多いタイプの頭痛で、後頭部をギューッと締め付けられるような痛みが特徴です。片頭痛のようなズキズキ感はなく、吐き気などの症状も少ないため「軽い頭痛だから大丈夫」と思われがちですが、放っておくと慢性化し、日常生活に支障をきたすこともあります。

 

「頭痛を訴えるキャリアウーマンが、パソコン作業中に額を押さえているイラスト」

長時間のパソコン作業によって頭痛に悩む女性。職場でよく見られる“緊張型頭痛”の様子を描いたイラストです。


◆スマホ・パソコン使用が「頭痛」を引き起こすメカニズム

スマホやパソコン作業を長時間続けると、姿勢が崩れやすくなります。特に、首が前に出た「ストレートネック」や「スマホ首」は、首や肩の筋肉に常に緊張を強いる状態です。

このような状態が続くと:

  • 首や肩の筋肉が硬直 → 血流が悪くなる

  • 筋膜や筋肉内の痛み物質が蓄積

  • 神経が刺激されて、頭痛として感じる

という流れで、筋緊張性の頭痛が引き起こされます。

 

「スマートフォンを見ながら左肩を押さえて肩こりを感じている若い男性のイラスト」

スマートフォンの使いすぎで肩に痛みを感じる若者。悪い姿勢による肩こりを描いた一枚です。


◆緊張型頭痛の予防と対策

1. 姿勢を見直そう

デスクワーク時は、モニターの高さを目線に合わせ、猫背を避けましょう。

2. 1時間に1回、軽いストレッチ

首を左右にゆっくり回したり、肩を上げ下げするだけでも効果的です。

3. 湯船でリラックス

首や肩の筋肉を温めてほぐすことで、緊張を和らげられます。

4. マッサージ・理学療法も有効

慢性的な肩こりには、プロによる施術も役立ちます。


◆片頭痛との違いに注意

緊張型頭痛と似た症状をもつ「片頭痛」は、ズキズキと拍動する痛み光・音に敏感になるといった特徴があります。

片頭痛は、血管や神経の異常が関係しており、治療法も異なるため、正しい診断が大切です


◆参考文献

  1. Robbins MS. Diagnosis and Management of Headache. JAMA, 2021.

    → 一次性・二次性頭痛の診断基準や治療法を網羅的に解説。DOI: 10.1001/jama.2021.1640

  2. Fereshtehnejad SM et al. Migraine: History, Global Epidemiology, Risk Factors, and Comorbidities. Front Neurol, 2022.

    → 片頭痛の歴史と世界的流行、生活習慣病との関係に着目。DOI: 10.3389/fneur.2022.810931

  3. Goadsby PJ, Silberstein SD. Migraine. NEJM, 2019.

    → 片頭痛のメカニズムと最新治療(CGRP関連薬)を詳しく解説。DOI: 10.1056/NEJMra1915327

  4. Schytz HW et al. Diagnosis and Management of Migraine in Ten Steps. Nat Rev Neurol, 2021.

    → 実用的な診断・治療フローを10ステップで提示。DOI: 10.1038/s41582-021-00509-5

  5. Rizzoli NR et al. Chronic Migraine: Pathophysiology and Treatment. Front Pain Res, 2021.

    → 慢性頭痛の脳内メカニズムと治療法を整理。DOI: 10.3389/fpain.2021.705276