🌞 なぜ「熱中症の予防」が重要なのか?

 

つばの広い帽子をかぶり、日陰でスポーツドリンクを飲んでいる女性のイラスト

屋外でも熱中症対策を忘れずに。帽子と水分補給で、夏を元気に乗り切りましょう。

 

毎年、夏になると熱中症による救急搬送や死亡のニュースが相次ぎます。特に高齢者、幼児、屋外で働く方に多く見られ、重症化すると命に関わることもあります。

福本医院では、科学的根拠に基づいた予防対策の普及を重視しています。今回は、世界の有名な医学論文・公的機関の報告をもとに、「熱中症の正しい予防法」をご紹介します。

 


🔬 科学が教える「熱中症予防」の5つのポイント

 

1. 体を暑さに慣らす(順化:acclimatization)

『American Journal of Medicine』によると、急に暑くなった時期は熱中症のリスクが高くなります。涼しい時期から徐々に高温環境に慣れておくことで、発汗機能や体温調節がスムーズになります。

2. こまめな水分補給

運動中や外出中は、のどが渇く前に水を飲みましょう。汗と一緒に塩分も失われるため、スポーツドリンクや経口補水液の活用も効果的です。

3. 適切な服装と休息

屋外活動時は通気性の良い服を着用し、日陰でのこまめな休憩を忘れずに。『Journal of Occupational and Environmental Medicine』の報告では、服装の調整と休憩時間の確保が、屋外労働者の熱中症予防に効果的とされています。

4. 冷却手段の準備

『British Journal of Sports Medicine』によれば、体を冷やすには「氷水浴」「冷風・ミスト」「冷却ジェルシート」などが有効です。とくに運動後や発熱時には迅速な冷却が重症化を防ぎます。

5. 高齢者や子どもは特に注意

『CDC(米国疾病予防センター)』の報告によると、熱中症による死亡の多くは65歳以上の高齢者に集中しています。室内でもエアコンを活用し、周囲の方が積極的に声かけを行うことが重要です。

 


🌡 熱中症の初期症状とは?

 

  • めまい・立ちくらみ

  • 吐き気・嘔吐

  • 頭痛

  • 異常な発汗や逆に汗が出ない

  • 意識がぼんやりする

このような症状が見られたら、すぐに涼しい場所に移動し、体を冷やして水分を補給しましょう。意識がはっきりしない場合は、すぐに救急要請を。

汗をかき、額に手を当てて体調不良を訴える男性のイラスト

激しい暑さの中、熱中症で具合が悪くなった男性。涼しい場所への移動と水分補給が必要です。

 


🏥 福本医院からのメッセージ

大阪・心斎橋にある当院では、熱中症の予防相談や軽症対応も行っています。高齢者やお子さま、基礎疾患をお持ちの方は特に注意が必要です。

「これって熱中症かも?」と不安なときは、遠慮なくご相談ください。

 


🔗 参考文献

  1. Bouchama A, Knochel JP. Am J Med. 2002. DOI: 10.1016/S0002-9343(02)01001-2

  2. Honda Y et al. Nat Clim Change. 2014. DOI: 10.1038/nclimate1793

  3. Epstein Y, Moran DS. J Occup Environ Med. 2006. DOI: 10.1097/01.jom.0000235914.19860.96

  4. Casa DJ et al. Br J Sports Med. 2007. DOI: 10.1136/bjsm.2007.035733

  5. CDC. Heat-related illness and death. MMWR 2013