突然の動悸、PSVTとは?原因・症状・治療・アブレーションを循環器専門医が解説【心斎橋 福本医院】

🫀 突然ドキドキ…それってPSVTかもしれません
※実際の症状の具体例については別記事で詳しく解説しています
https://shinsaibashi-fukumotocl.jp/blog/6001/
「急に心臓がバクバクして止まらない」
「数分〜数時間続いて、急に治る」
このような症状がある方は
👉 発作性上室性頻拍(PSVT) の可能性があります。
◆ PSVTとは?
PSVT(Paroxysmal Supraventricular Tachycardia)は
心臓の上の部分(心房・房室結節)で起こる不整脈です。
特徴は
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突然始まる
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突然止まる
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心拍数が非常に速い(150〜250/分)
◆ 主な症状
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強い動悸
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胸の違和感
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めまい・ふらつき
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息苦しさ
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まれに意識消失
👉 若い女性にも多いことが知られています
(Orejarena et al., JACC 1998)
実際に「突然しゃがみ込んでしまった」などの具体的な症状例はこちら
PSVTの体験例を見る
https://shinsaibashi-fukumotocl.jp/blog/6001/
🧠 ◆ 原因:心臓の中で電気が“ぐるぐる回る”
PSVTの多くは
👉 リエントリー(reentry) という現象で起こります
①本来は一方向に流れる電気信号が

心臓は洞結節から始まる電気信号によって規則正しく拍動しています。
②異常な回路を形成して(緑の線)

「副伝導路」は、PSVTの原因となります。
③「ループ(リエントリー)」します (赤の線)

副伝導路と正常伝導路の間で電気がぐるぐる回る「リエントリー」により、突然の頻脈(PSVT)が起こります。
▶ 主なタイプ
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AVNRT(房室結節内リエントリー)
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AVRT(副伝導路:WPWなど)
👉 生まれつき“電気の通り道”が多い(緑の線)ことが原因
💊 ◆ 治療①:薬物療法
発作時には
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迷走神経刺激(息こらえなど)
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アデノシン(医療機関)
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ベラパミルなど
👉 発作を止めることができます
🌍 最新治療(海外)
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エトリパミル(点鼻薬)
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自宅で自己投与可能
(Stambler et al., JACC 2023)
※日本未承認
🔥 ◆ 治療②:カテーテルアブレーション(根治治療)
心臓内の異常な回路を
👉 焼灼(アブレーション)して根治
✔ 特徴
-
成功率:95%以上
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再発率:低い
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入院:1〜2日程度
👉 ガイドラインでも第一選択(Class I)
(ACC/AHA/HRS 2015)

異常な電気の通り道(副伝導路)を焼灼し、リエントリー回路を断つことでPSVTは根本的に治療できます。
⚠️ ◆ 放っておいて大丈夫?
命に関わることは少ないですが
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転倒・失神のリスク
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QOL低下
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他の不整脈へ進展
👉 放置はおすすめできません
🏥 ◆ 福本医院でできること
当院では
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心電図
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ホルター心電図(最大5日)
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循環器専門医による診察
を行い
👉 必要に応じて
カテーテル治療可能な専門施設へ紹介します
✨ ◆ まとめ
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PSVTは突然起こる不整脈
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原因は“電気のループ”
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薬でも止まるが、根治はアブレーション
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若い方でも起こる
👉 「動悸が気になる」は受診のサインです
FAQ
❓ PSVTは自然に治りますか?
多くの場合、発作は自然に止まりますが、再発を繰り返すことが多く、根本的な治療にはなりません。頻度が多い場合は治療が推奨されます。
❓ PSVTは危険な病気ですか?
命に関わることは少ないですが、めまいや失神、転倒などのリスクがあります。生活の質(QOL)を大きく下げるため、適切な治療が重要です。
❓ なぜ突然起こるのですか?
心臓の電気信号が異常な回路(リエントリー)を形成し、ループすることで突然発症します。
❓ 若い人でも起こりますか?
はい。PSVTは比較的若い方、特に女性にも多く見られる不整脈です。
❓ ストレスやカフェインは関係ありますか?
はい。過労、ストレス、カフェイン、アルコールなどが発作の誘因になることがあります。
❓ 発作が起きた時はどうすればいいですか?
息こらえ(バルサルバ法)などの迷走神経刺激で止まることがあります。改善しない場合は医療機関を受診してください。
❓ 薬で治りますか?
薬は発作を止めたり予防することはできますが、根治は難しいことが多いです。
❓ カテーテルアブレーションとは何ですか?
心臓内の異常な電気回路を焼灼して、PSVTを根本的に治す治療です。
❓ アブレーションは危険ですか?
合併症はまれで、成功率は95%以上と非常に高い安全な治療です。
❓ 入院は必要ですか?
多くの場合、1〜2日程度の短期入院で行われます。
❓ 放置しても大丈夫ですか?
頻度が少なければ経過観察も可能ですが、症状がある場合は受診をおすすめします。
❓ どんな検査をしますか?
心電図、ホルター心電図(長時間記録)などで診断します。
📚 参考文献
① 最重要ガイドライン(世界標準)
2015 ACC/AHA/HRS ガイドライン
👉 2015 SVTガイドライン原文(Circulation)
-
DOI:10.1161/CIR.0000000000000311
-
PubMed:PubMed掲載ページ
✔ 内容
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PSVT診療の世界標準
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薬物療法・アブレーションの適応
-
クラス分類(Class Iなど)
👉 最も引用価値が高い文献です
② AVNRT(PSVTの中心病態レビュー)
Katritsis DG, et al. Circulation 2010
👉 DOIリンク
https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.109.921684
✔ 内容
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リエントリー機序の核心
-
dual pathway理論
👉 原因説明パートに最適
③ アブレーションの原点論文(NEJM)
Jackman WM, et al. 1992
👉 DOIリンク
https://doi.org/10.1056/NEJM199207023270103
✔ 内容
-
RFアブレーションの初期成功報告
-
PSVTが「治る病気」になった論文
④ 疫学(若い女性に多い根拠)
Orejarena LA, et al. JACC 1998
👉 DOIリンク
https://doi.org/10.1016/S0735-1097(98)00370-0
✔ 内容
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発症率:35/100,000人/年
-
女性に多い
⑤ 最新治療(エトリパミル)
NODE-301試験(JACC 2023)
👉 DOIリンク
https://doi.org/10.1016/j.jacc.2022.10.028
✔ 内容
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点鼻薬でPSVT停止
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多施設RCT
📊 補足:アブレーションのエビデンス
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成功率
👉 95〜99%(AVNRT/AVRT)
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合併症
👉 1〜2%未満
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再発率
👉 数%程度
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PSVT(発作性上室性頻拍)は、心臓の電気信号が異常な回路を形成することで突然発症する頻拍性不整脈であり、カテーテルアブレーションにより高い確率で根治可能です
症状の経過や実際のケースを詳しく知りたい方はこちら
PSVTの症状と実例の詳細解説

























