脂肪肝は放っておいて大丈夫?|健康診断で「脂肪肝」と言われた方へ【大阪・心斎橋の内科・循環器内科 福本医院】
この記事のポイント
- 脂肪肝は「よくあるから大丈夫」ではなく、放置すると肝硬変・肝不全・肝癌につながる場合があります。
- 現在の医学では、「脂肪の量」より「肝線維化」が重要視されています。
- 脂肪肝は肝臓だけでなく、動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中とも関連します。
- 改善には、減量・運動・中性脂肪や糖尿病の管理が重要です。
- FIB-4 indexは、採血データから肝線維化リスクを推定できる有用な指標です。
- 肝線維化や肝硬変が疑われる場合には、連携医療機関でMRIなどの精密検査をご案内しております。
- 健康診断で脂肪肝や肝機能異常を指摘された場合は、早めの評価が大切です。


健康診断で脂肪肝を指摘された方へ。福本医院では、腹部エコーやFIB-4 index、MRIを用いて、脂肪肝や肝線維化リスクを評価しています。
「健康診断で脂肪肝と言われたけれど、特に症状もないし大丈夫かな…」
そう思われている方は少なくありません。
実際、脂肪肝は日本人に非常に多く、健康診断で偶然見つかることも多い病気です。
しかし近年の研究では、
- 肝硬変
- 肝不全
- 肝癌
- 心筋梗塞
- 脳卒中
など、命に関わる病気につながる可能性があることがわかってきています。
特に重要なのは、
「脂肪の量」より、「肝臓がどれだけ硬くなっているか(線維化)」
です。
今回は、最新の国際ガイドラインや有名科学論文をもとに、脂肪肝についてわかりやすく解説します。
最近は「NAFLD」ではなく「MASLD」と呼ばれます
以前は、
- NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)
- NASH(非アルコール性脂肪肝炎)
という名称が使われていました。
しかし2023年、国際的な専門家会議で、
- MASLD
(Metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease) - MASH
(Metabolic dysfunction-associated steatohepatitis)
という名称へ変更する流れが示されました。
これは、
「脂肪肝は単なる肝臓病ではなく、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧など、代謝異常と深く関係する全身疾患」
という考え方が重視されるようになったためです。
脂肪肝はなぜ増えている?
現代では、
- カロリー過多
- 甘い飲み物
- 運動不足
- 内臓脂肪増加
- 睡眠不足
- 糖尿病
- 高中性脂肪血症
などを背景に、脂肪肝が急増しています。
特に、
- 中性脂肪が高い
- お腹周りが増えた
- 血圧が高い
- 血糖値が高め
という方は注意が必要です。
本当に重要なのは「肝線維化」
脂肪肝というと、
「脂がついているだけ」
というイメージを持たれる方も多いですが、現在の医学では、
本当に重要なのは“肝線維化”
と考えられています。
肝線維化とは、
肝臓に慢性的な炎症が続き、徐々に肝臓が硬くなっていく状態です。
進行すると、
- 肝硬変
- 肝不全
- 肝癌
につながる可能性があります。
近年の大規模メタ解析では、
“脂肪の量”より、“線維化の進行”が寿命や肝関連死亡に強く関係する
ことが示されています。
つまり、
「脂肪肝だから大丈夫」
ではなく、
「線維化が進んでいないか」
が重要なのです。
福本医院では、
- 採血
- 腹部エコー
- FIB-4 index など
を用いて、脂肪肝や肝線維化リスクを評価しております。
さらに、
肝線維化や肝硬変への進行が疑われる場合には、連携医療機関にてMRI検査などの精密評価をご案内しております。
脂肪肝は、単なる「脂肪の蓄積」ではなく、進行すると肝硬変や肝不全につながる場合があります。
健康診断で脂肪肝や肝機能異常を指摘された方は、お気軽にご相談ください。
脂肪肝は肝臓だけの病気ではありません
脂肪肝の患者さんでは、
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 脳卒中
などの心血管疾患リスクも高いことが知られています。
実際、脂肪肝患者さんの死亡原因としては、
- 心血管病
- 悪性腫瘍
が大きな割合を占めます。
そのため、
- 肝臓だけ
ではなく、 - 血圧
- 糖尿病
- 中性脂肪
- LDLコレステロール
- 体重
を含めた“全身管理”が重要です。
改善には「減量」と「運動」が重要
脂肪肝治療の基本は、
① 減量
② 運動
③ 代謝異常のコントロール
です。
有名研究では、
体重を7〜10%以上減量できた患者さんでは、脂肪肝炎や線維化改善が多く認められた
と報告されています。
また運動は、
体重減少とは独立して肝脂肪を減らす可能性
が示されています。
一般的には、
- ウォーキング
- 軽いジョギング
- 自転車
- 水泳
などの有酸素運動を、
週150〜240分程度
継続することが推奨されています。

中性脂肪や糖尿病の管理も大切です
脂肪肝では、
- 高中性脂肪血症
- 糖尿病
- 肥満
が背景にあることが多くあります。
そのため、
- 食事改善
- 減量
- 運動
- 必要に応じた薬物治療
が重要です。
近年では、
- GLP-1受容体作動薬
- 新しい脂肪肝治療薬
などの研究も進んでいます。
ただし、まず基本となるのは、
生活習慣改善
です。
健康診断で脂肪肝を指摘されたら
以下のような方は、一度医療機関へご相談ください。
- 健康診断で脂肪肝を指摘された
- AST・ALT・γGTPが高い
- 中性脂肪が高い
- 糖尿病がある
- お腹周りが気になる
- お酒をあまり飲まないのに脂肪肝と言われた
- 家族に糖尿病・脂質異常症が多い
福本医院から
脂肪肝は、初期にはほとんど症状がありません。
しかし、
「症状がない=安全」
ではありません。
現在では、
“脂肪肝は全身の代謝異常のサイン”
と考えられています。
早い段階で、
- 体重
- 血圧
- 血糖
- 中性脂肪
- 肝機能
を見直すことで、将来の肝硬変や動脈硬化リスクを下げられる可能性があります。
健康診断で脂肪肝を指摘された方は、お気軽にご相談ください。
FAQ(よくある質問)
Q1. 脂肪肝は放っておいても大丈夫ですか?
A. 初期には症状が少ないことが多いですが、放置すると肝線維化が進行し、肝硬変・肝不全・肝癌につながる場合があります。
Q2. 脂肪肝になるとどんな症状が出ますか?
A. 初期は無症状のことが多いです。進行すると、倦怠感、むくみ、黄疸、腹水などが出る場合があります。
Q3. お酒をあまり飲まなくても脂肪肝になりますか?
A. はい。最近は、肥満・糖尿病・脂質異常症など代謝異常に関連するMASLD(旧NAFLD)が増えています。
Q4. 脂肪肝で本当に重要なのは何ですか?
A. 現在の医学では、「脂肪の量」より「肝線維化」が重要視されています。線維化が進行すると、寿命や肝関連死亡リスクに影響します。
Q5. FIB-4 indexとは何ですか?
A. 年齢・AST・ALT・血小板数から計算する指標で、採血データから肝線維化リスクを推定できます。
Q6. FIB-4 indexが高いとどうなりますか?
A. 肝線維化が進行している可能性があります。必要に応じて、腹部エコーやMRIなどの精密検査を検討します。
Q7. 脂肪肝は改善できますか?
A. はい。減量、運動、食事改善、中性脂肪や糖尿病の管理によって改善が期待できます。
Q8. どのくらい痩せれば脂肪肝は改善しますか?
A. 有名研究では、体重を7〜10%以上減量すると、脂肪肝炎や肝線維化改善が期待できると報告されています。
Q9. 脂肪肝にはどんな運動が良いですか?
A. ウォーキング、自転車、水泳などの有酸素運動が推奨されます。一般的には週150〜240分程度が目安です。
Q10. 福本医院では脂肪肝の検査はできますか?
A. はい。当院では、FIB-4 indexを用いて脂肪肝や肝線維化リスクを評価しております。必要に応じて、連携医療機関でMRI検査などの精密検査をご案内しております。
参考文献
1. EASL–EASD–EASO Clinical Practice Guidelines on MASLD (2024)
欧州肝臓学会などによる最新ガイドライン。
脂肪肝(MASLD)は「肝臓だけの病気ではなく、肥満・糖尿病・脂質異常症と深く関わる全身疾患」と位置づけられています。
減量・運動・代謝異常の管理、線維化評価の重要性が強調されています。
DOI:10.1016/j.jhep.2024.04.031
URL:https://doi.org/10.1016/j.jhep.2024.04.031
2. AASLD Practice Guidance on NAFLD (2023)
米国肝臓学会(AASLD)の実践的ガイダンス。
脂肪肝患者では「肝臓だけでなく、心血管病リスク管理が重要」とされ、中性脂肪・LDLコレステロール・糖尿病の治療も推奨されています。
線維化進行例では肝硬変や肝癌リスク上昇に注意が必要です。
DOI:10.1097/HEP.0000000000000323
URL:https://doi.org/10.1097/HEP.0000000000000323
3. Rinella et al. Multisociety Delphi Consensus Statement (2023)
NAFLD/NASHからMASLD/MASHへの名称変更を提案した国際コンセンサス論文。
「脂肪肝=アルコールだけではなく、代謝異常を背景とする病気」という現在の考え方の基礎となっています。
DOI:10.1097/HEP.0000000000000520
URL:https://doi.org/10.1097/HEP.0000000000000520
4. 日本消化器病学会・日本肝臓学会 NAFLD/NASH診療ガイドライン 2020
日本人向け診療に基づいたガイドライン。
脂肪肝は放置すると肝硬変・肝癌につながる可能性があり、生活習慣改善が基本治療であることが示されています。
2026年にはMASLD対応版への改訂も進行しています。
URL:https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/
5. Vilar-Gomez et al., Gastroenterology (2015)
減量による脂肪肝改善を示した有名研究。
体重を7〜10%以上減量できた患者では、脂肪肝炎(NASH/MASH)や線維化の改善が多く認められました。
DOI:10.1053/j.gastro.2015.04.005
URL:https://doi.org/10.1053/j.gastro.2015.04.005
6. Dulai et al., Hepatology (2017)
脂肪肝患者の予後を決める最大の要因が「肝線維化」であることを示した重要なメタ解析。
単なる脂肪沈着よりも、“線維化がどこまで進んでいるか”が寿命や肝関連死亡に強く関係すると報告されています。
DOI:10.1002/hep.29085
URL:https://doi.org/10.1002/hep.29085
7. Ng et al., Clinical Gastroenterology and Hepatology (2023)
進行した肝線維化が、死亡率や肝不全リスク上昇に関係することを示した大規模解析。
「脂肪肝を放置してはいけない」重要な根拠の一つです。
URL:https://www.cghjournal.org/article/S1542-3565(22)00439-6/fulltext
8. Newsome et al., NEJM (2021) – Semaglutide Trial
GLP-1受容体作動薬セマグルチドが、脂肪肝炎(NASH)の改善に有効である可能性を示した有名試験。
肥満・糖尿病・脂肪肝が関連することを示す重要研究です。
DOI:10.1056/NEJMoa2028395
URL:https://doi.org/10.1056/NEJMoa2028395
9. Harrison et al., NEJM (2024) – Resmetirom / MAESTRO-NASH
脂肪肝炎(MASH)に対する新規治療薬Resmetiromの第3相試験。
線維化改善を含む有効性が示され、脂肪肝治療が大きく進歩していることを示す代表的研究です。
DOI:10.1056/NEJMoa2309000
URL:https://doi.org/10.1056/NEJMoa2309000
10. Keating et al., Sports Medicine (2023)
運動療法に関するレビュー論文。
中等度以上の有酸素運動を週150〜240分行うことで、体重減少とは独立して肝脂肪減少効果が期待できると報告されています。
DOI:10.1007/s40279-023-01918-w
URL:https://doi.org/10.1007/s40279-023-01918-w
気になる方は、早めの受診をおすすめします。
心斎橋駅近くで受診可能
この記事の監修
福本医院
院長 福本 淳
内科・循環器内科
平成9年 神戸大学医学部医学科卒
医学博士
循環器専門医(登録番号15490)


























