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「なんとなく体調が悪い」「検査では異常がない」と言われた方へ

その症状、自律神経の乱れかもしれません。

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最終更新日 2026/10/6

この記事のポイント

  • 自律神経失調症は、めまい・動悸・胃腸の不調・疲労など、複数の臓器にまたがる症状が出るのが特徴です
  • 簡易チェックリストで、自律神経の関与がどの程度ありそうかを確かめられます
  • 動悸やめまいは、不整脈など循環器の病気でも起こります。「自律神経のせい」と決める前に確認が大切です
  • 当院では心電図・ホルター心電図・心エコーで、心臓の病気がないかを確かめられます
  • 失神や強い動悸があるときは、早めに受診してください

自律神経失調症とは?

自律神経は、心臓・血圧・消化・発汗・排尿など、

生命維持に関わるほぼすべての機能をコントロールする神経です。

このバランスが崩れると、

  • めまい(クラクラする)

  • 動悸

  • 胃腸不調

  • 強い疲労感

など、全身にバラバラな症状が現れます。

 

自律神経の働きを図解したイラスト。左側に活動・ストレス時に働く交感神経、右側に安静・回復時に働く副交感神経を配置し、心臓、肺、胃腸など各臓器への影響とバランスを比較しています。

状況に合わせて各臓器をコントロールする、交感神経(活動モード)と副交感神経(リラックスモード)のバランス

 

自律神経失調症の症状

自律神経失調症では、特定の臓器の病気ではなく、全身にさまざまな症状がバラバラに現れるのが特徴です。代表的な症状には次のようなものがあります。

  • 心血管系:動悸、立ち上がったときのめまい・立ちくらみ
  • 消化器:胃もたれ、吐き気、便秘や下痢の繰り返し
  • 発汗・体温調節:異常な発汗(多すぎる、または出ない)
  • 泌尿器:尿意切迫、排尿困難
  • 感覚系:まぶしさ、ピントの調節異常
  • 全身症状:休んでも回復しない強い疲労感、ブレインフォグ(思考力・集中力の低下)

これに加えて、不眠、些細なことでのイライラ、不安感、朝からの倦怠感なども自律神経の乱れに伴ってよくみられます。「臓器の数」が多いほど、局所の病気ではなく自律神経全体の乱れが関与している可能性が高くなります。

ご自身がいくつ当てはまるか、下記のチェックリストで確認してみてください。

 

自律神経失調症 簡易チェックリスト

当てはまる症状にチェックしてください。

■ 心血管系

  • 立ち上がるとめまい・目の前が暗くなる(クラクラする)

  • 起立時に強い動悸(脈が速い)

  • 失神または失神しかけたことがある

■ 発汗・体温調節

  • 異常な発汗(多すぎる or 出ない)

■ 消化器

  • 食後の胃もたれ・吐き気・早期満腹感

  • 便秘や下痢を繰り返す

■ 泌尿器

  • 尿意切迫・排尿困難

■ 感覚系

  • まぶしさ・ピント調節異常

■ 全身症状

  • 強い慢性疲労(休んでも回復しない)

  • ブレインフォグ(思考低下・集中力低下)

 

判定の目安

  • 0〜2個

    → 一時的な体調不良の可能性

  • 3〜5個

    → 自律神経の関与が疑われる

  • 6個以上

    → 自律神経の関与が強く疑われます。ほかの病気がないかも含めて、一度ご相談ください

✔ 3個以上当てはまる方

✔ 動悸・めまい・疲労が続く方

👉 一度、循環器・自律神経の評価をおすすめします

(心斎橋・福本医院)

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医学的に重要なポイント

「臓器の数」が診断のカギ

自律神経の異常では、

👉 複数の臓器にまたがる症状が出る

これが最大の特徴です。

  • 心臓(動悸)

  • 胃腸(不調)

  • 発汗(異常)

  • 排尿(異常)

👉 1つだけ → 局所疾患

👉 複数 → 自律神経障害を強く疑う

ただし、動悸とめまいが同時に起こる場合は不整脈でも起こるため、心臓の検査で確認することが大切です。

 

「自律神経のせい」と決める前に|循環器の病気との見分け方

動悸やめまいは自律神経の乱れでよく起こりますが、心臓の病気でも同じ症状が出ます。次のような特徴があるときは、まず循環器の病気がないかを確かめることをおすすめします。

  • 突然始まって突然止まる、速い動悸 → 発作性上室性頻拍(PSVT)の可能性
  • 脈が不規則に乱れる → 心房細動などの不整脈の可能性
  • 立ち上がったときにクラッとする、目の前が暗くなる → 起立性低血圧の可能性
  • 息切れやむくみを伴う → 心不全の可能性

当院では、心電図、ホルター心電図(最長7日間)、心臓超音波検査(心エコー)、血液検査で、心臓や貧血などの病気がないかを確かめられます。心エコーは当日の検査が可能です(混雑時は後日のご予約になることがあります)。検査で心臓の病気が否定できれば、安心して自律神経の治療に取り組めます。

代表的な疾患

  • 起立性低血圧

  • 体位性頻脈症候群(POTS)

  • 自律神経ニューロパチー

特にPOTSでは、

  • 動悸

  • 疲労

  • ブレインフォグ

が強く、生活の質を大きく低下させます。

 

以下の症状も、自律神経の乱れに伴ってよくみられます。

  • 夜なかなか眠れない、眠りが浅い(不眠)

  • 些細なことでイライラしやすい

  • やる気が出ない、朝から体も頭も重い

  • 不安感が強い、落ち着かない

 

なぜ自律神経は乱れるのか?

① ストレス・疲労

交感神経が過剰に働き続ける

② 睡眠不足

血圧・心拍調整機能が低下

③ カフェイン

動悸・頻脈を悪化させる

④ 慢性疼痛

交感神経の過緊張が固定化

⑤ 首こり・肩こり

👉 現代人に非常に多い原因

  • スマホ

  • PC作業

  • 長時間の前傾姿勢

福本医院の公式キャラクター「いのねえ」がパソコン作業中に前かがみ姿勢となり、首や肩に負担がかかっている様子

 

ポイント:悪循環が起きている

  • ストレス → 自律神経乱れる

  • 自律神経乱れる → 首こり・疲労

  • 首こり → さらに自律神経悪化

👉 抜け出しにくいループ

 

治療の考え方

① まず症状を和らげる

  • 漢方

  • 内服治療

  • 生活指導

② 同時に生活を整える

  • 睡眠改善

  • カフェイン調整

  • 姿勢改善

👉 一気に治すのではなく、少しずつ整えることが重要

 

【警告サイン(要受診)】

以下がある場合は早めの受診を推奨します

  • 失神

  • 強い動悸

  • 日常生活に支障のある疲労

  • 急激な体調悪化

 

「原因が分からない体調不良」は放置しないでください。

福本医院では

  • 動悸・めまいの評価

  • 自律神経の視点からの診療

  • 生活改善まで含めたサポート

を行っています。

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脳疲労(認知疲労)とは?しっかり寝ても眠い原因・症状・対策|福本医院

■ よくある質問(FAQ)

Q1. 自律神経失調症とは何ですか?

A. 自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れ、めまい・動悸・疲労・胃腸不調などが全身に現れる状態です。特定の臓器の病気ではなく、全身の調整機能の乱れです。

 

Q2. 自律神経失調症で「クラクラする」めまいは起こりますか?

A. はい。特に立ち上がった時に「クラクラする」「ふらつく」感覚は、自律神経の血圧調整異常によって起こります。起立性低血圧やPOTSの可能性があります。

 

Q3. 動悸も自律神経が原因ですか?

A. はい。自律神経が乱れると心拍数の調整がうまくいかず、突然の動悸や頻脈が起こります。特に起立時に強い場合は注意が必要です。

 

Q4. 疲れているのに回復しないのはなぜですか?

A. 自律神経の乱れにより、副交感神経(回復モード)が働かず、休んでも回復しない疲労が続きます。

 

Q5. 不眠やイライラも関係ありますか?

A. 関係します。ただしこれらは診断の中心ではなく、自律神経の乱れによる関連症状です。睡眠不足は逆に悪化要因にもなります。

 

Q6. 自律神経失調症の原因は何ですか?

A. 主な原因は以下の組み合わせです

・ストレス

・睡眠不足

・生活リズムの乱れ

・カフェイン

・首こり・姿勢不良

 

Q7. スマホやパソコンは影響しますか?

A. はい。長時間の前傾姿勢により首の筋緊張が続き、自律神経を乱す原因になります。

 

Q8. 検査で異常がないのに症状があるのはなぜですか?

A. 多くの場合、臓器そのものではなく調整機能(神経)の異常だからです。そのため通常の検査では異常が出ないことがあります。

 

Q9. 自律神経失調症は治りますか?

A. 多くは改善可能です。ただし、生活習慣を含めて少しずつ整えることが重要です。

 

Q10. 受診の目安はありますか?

A. 以下の場合は受診をおすすめします

・チェックリストで3項目以上当てはまる

・クラクラするめまいや動悸が続く

・日常生活に支障がある

Q11. 朝起きた時にクラクラするのはなぜですか?

A. 朝起きた直後の「クラクラする」めまいは、自律神経による血圧調整がうまく働いていない可能性があります。特に寝ている状態から急に起き上がると、血圧が一時的に低下し、脳への血流が不足してふらつきが起こります。起立性低血圧や体位性頻脈症候群(POTS)でもよく見られる症状です。

 

Q12. 自律神経失調症と貧血の違いは何ですか?

A. どちらも「めまい」「ふらつき」を起こしますが、原因が異なります。

  • 自律神経失調症:血圧や心拍の調整機能の異常(神経の問題)

  • 貧血:血液中のヘモグロビン低下による酸素運搬不足

貧血では血液検査で異常が見つかることが多い一方、自律神経失調症では検査が正常でも症状が出ることがあります。両者が合併している場合もあるため、医療機関での評価が重要です。

 

Q13. 自律神経失調症と更年期障害の違いは何ですか?

A. 症状は似ていますが原因が異なります。

  • 自律神経失調症:ストレス・生活習慣・姿勢などによる神経バランスの乱れ

  • 更年期障害:女性ホルモン(エストロゲン)の低下

更年期ではホットフラッシュ(のぼせ・発汗)が特徴的ですが、自律神経失調症でも似た症状が出ることがあります。年齢や経過、血液検査などを総合して判断します。

「クラクラするめまい」や動悸が続いていませんか?

自律神経の乱れは、検査では異常が出にくいため見逃されがちです。

気になる症状がある方は、早めのご相談をおすすめします。

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参考文献リスト

1. 起立性低血圧の診断と治療(Lancet Neurology)

自律神経不全の最も一般的な臨床像である「起立性低血圧」に関する、2022年時点での最新の合意事項をまとめた包括的レビューです。

 

2. 体位性頻脈症候群(POTS)の決定版レビュー(Nature Reviews)

若年層に多い自律神経失調の一種であるPOTSについて、その病理生理、診断基準、生活指導から薬物療法までを網羅した世界的に評価の高い文献です。

  • タイトル: Postural orthostatic tachycardia syndrome: clinical presentation, aetiology and management

  • 著者: Fedorowski A.

  • 掲載誌: Journal of Internal Medicine, 285(4), 352-366. (2018)

  • DOIリンク: https://doi.org/10.1111/joim.12852

 

3. 自律神経不全の診断と管理の体系的ガイド(Neurologic Clinics)

臨床現場でのアプローチに重点を置き、多様な原因(糖尿病、自己免疫、特発性など)による自律神経障害をどのように鑑別し、管理すべきかを詳述しています。

 

4. パーキンソン病における自律神経障害(Lancet Neurology)

神経変性疾患に伴う自律神経機能不全のメカニズムを解明した重要な論文です。特に心臓の交感神経不全など、中枢と末梢の関わりを深く分析しています。

 

5. 自律神経機能の基礎生理と臨床への応用(Handbook of Clinical Neurology)

自律神経系の解剖学的基礎から、機能検査法、各種疾患への応用までを網羅した、教育的価値の高いリファレンスです。

 

6. 頸筋異常による自律神経症状(頸性神経筋症候群)の提唱

日本の松井孝嘉医師のグループが、首の筋肉(頸筋)の異常が頭痛、慢性疲労、めまい、そして自律神経失調症を引き起こすという概念「頸性神経筋症候群(Cervical Neuro-Muscular Syndrome: CNMS)」を世界に向けて報告した論文です。国内における「首こり病」という概念のベースとなっています。

  • タイトル: Cervical Neuro-Muscular Syndrome: Discovery of a New Disease Group Caused by Abnormalities in the Cervical Muscles

  • 著者: Matsui T, et al.

  • 掲載誌: Neurologia medico-chirurgica (2012)

  • 情報の限界: 単一の日本のグループからの報告。

  • DOIリンク: https://doi.org/10.2176/nmc.52.75

 

7. 前傾姿勢(テキストネック)と自律神経・感覚運動制御の横断研究

ストレートネックやテキストネックと呼ばれる「頭部前傾姿勢(Forward Head Posture: FHP)」の被験者と正常な被験者を比較し、FHP群において交感神経皮膚反応の異常(自律神経の過度な興奮性)や感覚運動制御の異常が見られたとするエジプトなどの合同研究チームによる報告です。

  • タイトル: Is forward head posture relevant to autonomic nervous system function and cervical sensorimotor control? Cross sectional study

  • 著者: Moustafa IM, et al.

  • 掲載誌: Gait & Posture (2020)

  • DOIリンク: https://doi.org/10.1016/j.gaitpost.2020.01.004

 

8. 頸部の靭帯不安定性と迷走神経(自律神経)機能不全の理論モデル

長時間のスマートフォンやPC使用による「下を向く生活(forward head-facedown lifestyle)」が、首の靭帯を徐々に引き伸ばし(クリープ現象)、それが首を通る迷走神経(副交感神経の要)を牽引・圧迫することで、全身の自律神経症状を引き起こすというメカニズム(Cervicovagopathy)を考察したレビュー論文です。

  • タイトル: Cervicovagopathy: ligamentous cervical instability and dysstructure as a potential etiology for vagus nerve dysfunction in the cause of human symptoms and diseases

  • 著者: Hauser RA, et al.

  • 掲載誌: Frontiers in Neurology (2025)

  • DOIリンク: https://doi.org/10.3389/fneur.

 

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福本医院は大阪市中央区南船場にある内科・循環器内科です。
大阪メトロ御堂筋線・心斎橋駅から徒歩2分、なんば(難波)からは1駅です。長堀橋・本町・四ツ橋からも徒歩圏内で、新町・堀江・立売堀をはじめ大阪市西区からも多くの患者様にご来院いただいております。

この記事の監修

福本医院

院長 福本 淳

内科・循環器内科

平成9年 神戸大学医学部医学科卒

医学博士

循環器専門医(登録番号15490)

経歴について、詳しくはこちら

当院について

 

 

院長・著者について

福本 淳(ふくもと あつし)/福本医院 院長。循環器専門医・医学博士。大阪市中央区南船場で内科・循環器内科を診療しています。

著書『ダイエット論 ── 体重の行き先は、一つの式でわかる』(福本医院ライブラリー 第2巻)。本の内容を見る