健康診断で「心電図の異常」を指摘されたら ― 放っておかず、まずご相談ください
心電図の欄に「心房細動の疑い」「ST-T異常」などとコメントが付いていた。これは何だろう、どうすればいいんだろう――そう思ってこのページを開いた方へ。結論はシンプルです。迷ったら、結果票を持って一度ご相談ください。何を指摘されているのか、どう動けばよいのかを、以下でやさしく説明します。
健康診断で見つかる心電図の異常には、自覚症状がないものも少なくありません。元気に過ごしていても、放置せず一度確認しておくことが大切です。
■ この記事のポイント
- 健診の心電図は「ふるい分け」の検査。「異常」=病気とは限りません。
- でも「大丈夫」とも限りません。経過観察でよいか確認が必要かは、心電図だけでは見分けられません。
- だから放置せず、健診結果票を持って循環器内科へ。心斎橋の福本医院でご相談ください。

健診の心電図は「ふるい分け」の検査です
健康診断の心電図は、多くの方の中から「くわしく調べたほうがよい人」を拾い上げるための検査です。病気を確定させる検査ではありません。
反対に、健診で「異常なし」であっても、その瞬間に出ていない不整脈などは心電図に写らないことがあります。心電図の所見は、診断の出発点であって、結論ではありません。
だからこそ、「異常」と出たときには、その意味を一度確認しておくことが大切です。
「異常」と書かれていても、病気とは限りません
所見に「異常」と出ても、それが必ずしも病気とは限りません。「あなたは病気です」という結論ではなく、「一度くわしく確認しましょう」という合図と考えてください。
ただし「大丈夫」とも限りません。自己判断は禁物です
同じ「異常」でも、その中身は、そのまま様子を見てよいものから、早めに確認・治療したほうがよいものまで大きな幅があります。自分がそのどちらなのかは、結果票の文字だけでは見分けられません。
たとえば心房細動は、自覚症状がなくても脳梗塞につながることがある不整脈ですが、早く見つけて対策できれば、そのリスクを大きく減らせます。狭心症や心筋症など、別の心臓の病気が背景に隠れていることもあります。早めに確認しておくことで、適切な対応につなげやすくなります。
心房細動にかぎらず、ST-T異常や脚ブロックなど、健診で見つかる所見はそれぞれ意味が異なります。名前の印象だけで自己判断せず、次の「判定」にそって確認することが大切です。
「たぶん大丈夫」で終わらせず、一度きちんと確認して「大丈夫」とはっきりさせておく。それが、いちばんの安心につながります。
まず、結果票の「判定」を確認してください
健診の結果票には、A・B・C・D・Eといった判定の記号が付いています。まずはここをご確認ください。記号の意味の目安は次のとおりです。
| 判定 | 意味の目安 | 受診の必要性 |
|---|---|---|
| A | 異常なし。今回の検査では問題ありませんでした | 不要 |
| B | 軽度の変化。日常生活に支障のない範囲です | 次回健診で確認 |
| C1 | 要経過観察。期間をおいて様子を見ます | 気になれば相談を |
| C2 | 要再検査。もう一度確認が必要です | 受診をおすすめします |
| D | 要精密検査。くわしい検査が必要です | 受診してください |
| E | 要治療。治療が必要な可能性があります | 早めに受診してください |
| F | 治療中。すでに通院されている方です | 主治医にご相談を |
判定の記号や区分は健診機関によって異なります。お手元の結果票に説明が記載されていれば、そちらを優先してご覧ください。
結果票全体の読み方、血液検査の項目や「要再検査」と言われたときの考え方は、健康診断の受け方と結果票の見方でくわしく解説しています。
心電図でよくある所見の意味
判定とあわせて、所見の欄に書かれた言葉の意味も確認しておきましょう。
| 所見 | どういう意味か |
|---|---|
| 心房細動(の疑い) | 脈が不規則になる不整脈です。自覚症状がなくても脳梗塞につながることがあり、早く見つけて対策する意味が大きい所見です。確認をおすすめします。くわしくは心房細動とは?をご覧ください。 |
| ST-T異常(ST-T変化) | 心臓の筋肉やその血流の状態を反映することがある所見です。体質や自律神経の影響で出ることも多い一方、狭心症などが隠れている場合もあります。 |
| 期外収縮(上室性・心室性) | 脈が飛ぶタイプの不整脈です。多くは治療の必要がありませんが、頻度が多い場合や背景に心臓の病気がある場合は確認が必要です。 |
| 右脚ブロック | 健康な方にも比較的よく見られる所見です。多くは経過観察で問題ありません。 |
| 左脚ブロック | 背景に心臓の病気が隠れていることがあり、一度確認しておくことをおすすめします。 |
| 房室ブロック | 脈が遅くなるタイプの所見です。程度によって、経過観察でよいものから治療を検討するものまで幅があります。 |
| 洞性徐脈・洞性頻脈 | 脈が遅い、あるいは速い状態です。体質や検査時の緊張、運動習慣などが理由のことも多い所見です。 |
| 左室高電位・左室肥大 | 心臓の筋肉が厚くなっている可能性を示す所見です。高血圧が背景にあることがあります。 |
| QT延長 | お薬や電解質の影響で出ることがあります。まれに注意が必要な体質のこともあり、確認しておくと安心です。 |
| ブルガダ型心電図 | 多くの方は生涯症状なく過ごされます。失神などの経験がある場合は早めの確認をおすすめします(詳しくは記事末の補足をご覧ください)。 |
結局、どうすればいいの?
いちばんの近道は、結果票を持って受診することです。とくに判定がC2・D・E(要再検査・要精密検査・要治療)なら、所見の名前にかかわらず、一度ご相談を。「大げさかな」と迷う段階での受診でかまいません。
当院でできること
循環器を専門とする医師が、健診結果をもとに次のような確認を行います。
- 心電図をあらためて記録し、健診の所見を見直します
- 心臓超音波(心エコー)検査で、心臓の形や動きを確認します
- 必要に応じて、24時間ホルター心電図などで、日常生活の中での脈をチェックします
- より専門的な検査や治療が必要な場合は、適切な医療機関へご紹介します
Apple Watchなどのウェアラブル端末で不整脈の通知を受け取った方や、より長い期間の記録が必要な方については、7日間ホルター心電図にも対応しています。
「大げさかな」と感じる必要はありません。健診の結果を確認しておきたい、という理由での受診で大丈夫です。
Apple Watchで不整脈・睡眠時無呼吸の通知が来たら? 2026年6月から7日間Holterへ|高血圧にもつながる最新循環器診療
費用について(保険診療です)
健康診断の結果にもとづく再検査・精密検査は、健康保険を使って受けていただけます。自費ではありません。
3割負担の方の目安は次のとおりです。
| 検査の組み合わせ | 3割負担の目安 |
|---|---|
| 初診+心電図 | 約1,300円 |
| 初診+心電図+心エコー | 約3,900円 |
| 初診+心電図+ホルター心電図 | 約6,500円 |
| 初診+心電図+心エコー+ホルター心電図 | 約9,200円 |
※上記は初診料と記載の検査のみの目安です。血液検査やレントゲン検査を追加した場合、お薬を処方した場合、各種加算により、実際の窓口負担は前後します。
費用について気になる点があれば、受付でお気軽にお尋ねください。
受診の際は、健診の結果票、保険証・マイナ保険証、お薬手帳をお持ちください。結果票があると、その日の心電図と見比べながらご説明できます。
受診の流れと所要時間
結果票を拝見し、その場で心電図を取り直します。
心臓超音波(心エコー)検査は当日施行が可能です。検査自体は10分程度です。混雑時は後日のご予約をお願いする場合があります。
ホルター心電図は、装着が5分程度です。機器をお持ち帰りいただき、後日ご返却いただきます。解析の結果は、あらためてご説明します。
平日夕方の最終受付は19時15分です。お仕事帰りの受診にもご利用いただけます。土曜日は14時45分が最終受付となります(15時以降は発熱外来の時間帯です)。
ご予約いただくと待ち時間が短くなります。
受診のご案内(心斎橋・福本医院)
健康診断・人間ドックの結果票をお持ちのうえ、当院までお気軽にご相談ください。結果票があると、その日の心電図と見比べながら、より正確にご説明できます。気になる所見があれば、どうぞ早めにお越しください。
(当院・福本医院は、大阪・心斎橋の循環器内科・内科です。循環器専門医が、健診で指摘された心電図の確認からご相談まで対応いたします。)
補足:ブルガダ型心電図と指摘された方へ
健診で「ブルガダ型心電図」と指摘されることがあります。多くの方は生涯症状なく過ごされますが、ごく一部の方で注意が必要なことがあり、失神や夜間の苦しそうな呼吸などの経験がある場合は、早めの受診をおすすめします。くわしくは、国立循環器病研究センターの解説がわかりやすいのでご参照ください。
- 国立循環器病研究センター 病院「不整脈」(患者向け解説):https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/arrhythmia/
- 国立循環器病研究センター 病院「Brugada(ブルガダ)症候群」:https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/cvm/arrhythmia/brugada/
福本医院について
福本医院は大阪市中央区南船場にある内科・循環器内科です。
心斎橋、長堀橋、本町、四ツ橋から徒歩圏内にあり、なんば(難波)からも心斎橋筋商店街をまっすぐ北へ徒歩約15分、御堂筋線なら1駅です。新町・堀江・立売堀をはじめ大阪市西区、難波・日本橋方面からも多くの患者様にご来院いただいております。
動悸、不整脈、胸痛、息切れ、高血圧などでお困りの方は、心電図、ホルター心電図、心エコー検査などを活用しながら診療を行っております。気になる症状がある方や、健康診断で異常を指摘された方はお気軽にご相談ください。
この記事の監修
福本医院
院長 福本 淳
内科・循環器内科
平成9年 神戸大学医学部医学科卒
医学博士
循環器専門医(登録番号15490)





















